2016年8月5日金曜日

クロコバエ科 ( Neophyllomyza sp. ) Bubble Blowing

アカメガシワの葉上にシオヤアブのオスの姿。目に付いたのはその傍にいた小さなハエ、クロコバエ。きっとシオヤアブの獲物に集り、ちゃっかり体液を摂取したのであろう。口吻で体液を何度も出し入れしていた。
翅脈を調べてみるとNeophyllomyza sp.と一致。多分おちゃたてむしさんの記事のハエと同種と思われます。過去の記事ではヒメグモの獲物に集っています。ezo-aphidさんの解説では「ムシヒキアブ科・サシガメ科・クモ類という捕食者が彼らのいそうろう先」となかなか賢い小さなハエのようです。

体長約1.5mm

頭部より大きい水風船。シオヤアブの獲物となったムシの体液でしょう。若干濁りあり

花の蜜やカイガラムシ、アブラムシの甘露、昆虫の体液、ハエ目の全てではありませんが口吻よりまるで風船を膨らませたり萎めたりする動作を行う種がいます。しかしその行動の意味はハッキリとは分かっていないようです。ネットで調べてみると色々と仮説が立てられ、その中で何点か記述してみると
  1. 余計な水分を気化により蒸発し濃縮させ消化を促進させる
  2. 口吻のクリーニング
  3. 病気による症状
  4. 敵に対する防御策
  5. 体温が上がり過ぎないよう冷却効果
今まで数種類のハエの水風船の行動を見てきましたが3〜5は無さそうな感じで実際、1の見方が一番多いようです。今回の観察でも先入観があるかもしれませんが消化活動のような気がします。一寸のハエでアノニモミイアさんが「ハエなどはそ嚢に液体をいっぱい吸収すると,それをただちに中胃に送り出すのではないようですから,多くの栄養成分を得るためにそ嚢の中身を蒸発して,そ嚢の容積を有効につかっているのか,と思います.あくまでも想像ですから,事実とは信じないでください」とコメントされておられます。ということで今回のクロコバエの写真に戻ります。

これでもかと言わんばかりに膨れ上がった腹部
これを見ると吸血しながら排泄する蚊の能力はすごいと思う→こちら

直径約0.3mmの球体。極小なので蒸発するのも早いでしょう

画像では確認しずらいですが鋭い口吻には溝があり、そこから液体が滲み出ています

フラッシュの光によって液体の出し入れの感覚が短くなっている可能性もあるかも
(フラッシュを使用しなくても液体の出し入れは行っています)

背面と翅脈。ピントの合っているものを2枚並べています

7月19日撮影 押部谷

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